天空カジノで摘発された硬貨型爆弾。
その1枚が街で爆発し、混乱の中で終末が幕を開けた。
卑劣なる賊の名は――《武装探偵社》。
《天人五衰》の張り巡らせた醜悪な罠に掛かった中島敦たちは、
現実を改変する「頁」の力によって、
世界中から誹りを受けるテロリスト集団へと顛落していた。
軍警最強の特殊部隊《猟犬》は、
その身を社会へと捧げた信念と代償のもとに獲物を追い、
千々に喰いちぎる。
そして、彼らが隊長・福地桜痴は、新時代のテロに対抗すべく
超国家的武装警備部隊「人類軍」の蜂起を促すのだった。
敦は、仲間と共にない心細さにかられながらも直走る。
倒けつ転びつ、哀れなる迷い犬の走る路に希望の種は撒かれていた。
探偵社の礎そのものたる福沢諭吉と江戸川乱歩、
〝魔人〟フョードルの策謀を見極めるべく
自ら監獄に収監された太宰治も、反撃の機会を伺う。
《天人五衰》の目論む国家消滅まで、残された時間は6日。
それまでに、彼らの手にある「頁」を奪い、
まだ見ぬ首領・神威を倒すことができるのだろうか?
「これが、あなたの生きる路か……」
ついに明らかになる、黒幕の正体。
交わる友と友、過去と現在。すべては、未来のために――。
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